平成25年6月 世界文化遺産登録 / 富士山構成資産「忍野八海」
その昔、忍野湖は富士山の噴火活動を何度も経て、徐々に富士 裾野と御坂山系との狭間を水触、掘削排水され長い期間の後、ついに湖は涸れました。しかし。富士山の伏流水に水源を発する湧水池がいくつか残りました。 その代表的な湧水池が「忍野八海」です。
世界文化遺産構成資産 忍野八海(天然記念物・名水百選・県富岳百景選定地)
構成資産13・一番霊場
出口池(デグチイケ)
八海の中で最も大きな霊水の池
八海の中で一つだけ離れた場所にあり最も面積が広い池です。後方はすぐ山となり、ちょうど池を見下ろす林のなかに出口稲荷大明神の神社があります。周りには売店などもなく、観光客の数もぐっと少ないので、最も自然的な姿を見ることができます。
| 出口池データ |
面 積:1,467平方メートル
水 温:約10度〜13.5度(年平均)
湧水量:0.265立方メートル毎秒
水 深:0.5メートル
住 所:山梨県南都留郡忍野村忍草3483-2 |
構成資産14・二番霊場
お釜池(オカマイケ)
小さくとも、豊富な水量を誇る池
八海の中で最も小さな池です。
バイカモが揺れ動く景色や水深の青さを観賞できます。
| お釜池データ |
面 積:24平方メートル
水 温:約13.5度(年平均)
湧水量:0.18立方メートル毎秒
水 深:4メートル
住 所:山梨県南都留郡忍野村忍草111-2 |
構成資産15・三番霊場
底抜池(ソコナシイケ)
洗物が消えると云う伝説のある池
「はんの木林資料館」の入口から古民具などを展示する建物を通り過ぎ、敷地の一番奥のとちの木の大木や樹林が生い茂る静かな場所にあります。※底抜池は、「はんの木林資料館」の敷地内なので、ご覧頂くには入館料300円が必要となります。
| 底抜池データ |
面 積:208平方メートル
水 温:約14度(年平均)
湧水量:0.155立方メートル毎秒
水 深:1.5メートル
住 所:山梨県南都留郡忍野村忍草272-2 |
構成資産16・四番霊場
銚子池(チョウシイケ)
縁結びの池と伝えられている
湧池から阿原川沿い脇の草地の中にひっそりとあります。
池の底の砂地から砂を巻き上げ水が湧いているのがよく見えます。
| 銚子池データ |
面 積:79平方メートル
水 温:約13.5度(年平均)
湧水量:0.02立方メートル毎秒
水 深:3メートル
住 所:山梨県南都留郡忍野村忍草266‐3 |
構成資産17・五番霊場
湧池(ワクイケ)
八海一の湧水量と景観を誇る池
八海の中で一番賑やかな通りに面する池です。土産物屋が立ち並び、向かいには水車小屋があります。湧水量も豊富で、揺れ動く水面や深い水底の景観が美しく忍野八海を代表する池です。
| 湧池データ |
面 積:152平方メートル
水 温:約12度〜13度(年平均)
湧水量:2.2立方メートル毎秒
水 深:4メートル
住 所:山梨県南都留郡忍野村忍草361-2 |
構成資産18・六番霊場
濁池(ニゴリイケ)
一杯の水を断り濁ったといわれる池
湧池に隣接し、阿原川と合流しています。名前は濁池ですが、今では水は清らかで濁っていません。池底からごく少量ですが、湧水が確認されています。
| 濁池データ |
面 積:36平方メートル
水 温:約12度〜13度(年平均)
湧水量:0.041立方メートル毎秒
水 深:0.5メートル
住 所:山梨県南都留郡忍野村忍草269-2 |
構成資産19・七番霊場
鏡池(カガミイケ)
水面に富士山を映す池
湧池から続く賑やかな通りの北側にあり、鏡池は湧水がとても少ないです。この池は条件が整えば、水面にはっきりと富士山が映り込み、見事な逆さ富士を見ることができます。
| 鏡池データ |
面 積:144平方メートル
水 温:約12.5度〜15度(年平均)
湧水量:月によって消長あり
水 深:0.3メートル
住 所:山梨県南都留郡忍野村忍草339-2 |
構成資産20・八番霊場
菖蒲池(ショウブイケ)
菖蒲にまつわる美しい伝説が残る池
菖蒲池は鏡池の東側にあり、大人の背丈ほどに成長したショウブ(サトイモ科)と外来種であるキショウブ(アヤメ科)等の植物がみられます。奥には八海菖蒲池公園があります。
| 菖蒲池データ |
面 積:281平方メートル
水 温:約12.5度〜15度(年平均)
湧水量:月によって消長あり
水 深:0.5メートル
住 所:山梨県南都留郡忍野村忍草444-2 |
忍野八海について
神秘の湧水 〜世界文化遺産構成資産・天然記念物・名水百選・県富岳百景選定地〜
その昔、忍野湖は富士山の噴火活動を何度も経て、徐々に富士
裾野と御坂山系との狭間を水触、掘削排水され長い期間の後、ついに湖は涸れました。しかし。富士山の伏流水に水源を発する湧水池がいくつか残りました。
その代表的な湧水池が「忍野八海」です。
富士山に降り積もる雪解け水が、地下の不透水層という溶岩の間で数十年の歳月をかけてろ過され、澄み切った水となりました。美しく神秘的であり、移り変わる四季に彩られた富士を水面に映しこんだ姿は訪れた人々に水本来の姿と護るべき美しさをそっと訴えているようにも感じられます。
忍野八海は「形状、水質、水量、保全状況、景観、仏教思想(富士信仰)など」の観点から、昭和9年(1934年)に国の天然記念物に指定され、昭和60年(1985年)に、環境庁から全国名水百選に選定されました。また、平成6年(1993年)には、県富岳百景選定地にも指定されました。
平成25年6月 世界文化遺産登録 / 富士山構成資産「忍野八海」
世界文化遺産構成資産として位置づけられた「忍野八海」の3つの要素
○ 富士山域を背景としてた風致の優れた水景
○ 富士山を水源とする地下・地上の豊かな水系
○ 富士講と元八湖の再興(忍草元八湖霊場)
富士講と元八湖の再興(忍草元八湖霊場)

忍野元八湖は古くから富士御手洗元八湖として、富士修験の霊場でした。 富士講の信者は、富士登拝に先立ち、8つの湖沼群において水行を行ったとされ、それぞれ「富士外八湖」、「内八湖」、「富士山根元八湖」として記録に残っています。 八つの池(現在の忍野八海)は、「富士山根元八湖霊場」と名付けられ、略して、「元八湖霊場」と言われるようになったとされています。 天保14年(1843年)に富士講の一つである大我講の禊ぎの池として再興されたのを契機として、忍野八海が関東一円の富士講の中で広く知られるようになりました。 明治元年(1868年)に成立した明治政府の廃仏毀釈によって富士信仰は衰退し、忍野八海における水行も徐々に行われなくなり、第二次世界大戦後には禊ぎを行う行者姿はほとんど見られなくなりました。 昭和40年(1965年)頃から忍野八海の観光が注目されはじめ、昭和60年(1985年)に「全国名水百選」に選ばれたことにより、一層知名度が高まったため観光地化が進み、現在に至っています。(写真 : 元八海再興図 東円寺所蔵)
パンフレットダウンロード